明代の税制

2023早稲田法
16世紀の中国では一条鞭法が導入され、複雑な税制を簡素化し、地税や丁税を一元化し銀で納める制度が広まりました。また、地丁銀制は17世紀後半、清代に導入され、丁税が地税に組み込まれて銀で納められるようになりました。

16世紀に生じた税制の変化で最も適切なものは、4. 一条鞭法が各地で実施され従来の複雑な地税や徭役が簡素化された

作物の収穫時期に応じて夏か秋のどちらかに税を貨幣で徴収することになった
→ 明代の税制改革では収穫時期に応じてではなく、一条鞭法によって複雑な税や徭役が銀で一本化されたため、この表現は不適切です。正しくは「複雑な税制が簡素化され、銀での一括納付が進められた」です。

人口と土地を調査し賦役黄冊や魚鱗図冊作成することを始めた
→ 魚鱗図冊や賦役黄冊は明代初期(14世紀後半)の制度です。16世紀の新しい取り組みではないため、この表現は時代的に誤りです。正しくは「14世紀後半に人口と土地の調査が進められた」です。

丁税を地税に組み込んで事実上地税に一本化して銀で納める地丁銀制に改められた
→ 地丁銀制は17世紀後半の清代に導入された制度です。16世紀の明代にはまだ導入されていません。正しくは「17世紀後半、清代に地丁銀制が導入された」です。