19世紀の世界

1800年代
1801年
・グレートブリテン王国(イギリス)とアイルランド王国が合併する。
・フランスと教皇庁とのコンコルダート(政教協約)が結ばれる。
・ロシア皇帝パーヴェル1世が宮廷クーデタで暗殺され、皇子が即位してアレクサンドル1世となる。

・江戸時代の旅行ブーム。1802年には十返舎一九の『東海道中膝栗毛』の刊行が始まり、文化文政時代のおおらかな気風も相まって各地への旅行が庶民でも楽しまれるようになった。歌川広重の「東海道五十三次」の「日本橋」。

・阮朝越南の成立。黎朝衰退後に台頭した西山三兄弟を倒し、阮福暎は嘉隆帝と名乗ってベトナム全土を統一した。

1802年
・蝦夷奉行を置き、更に蝦夷奉行を箱館奉行と改称する。
・タイの援助で阮福暎(嘉隆帝)がベトナム全土を統一し越南阮朝が成立。
・第一次サウード王国がメッカとメディナを占領する。
・英仏間でアミアン講和条約

1803年
・ウィリアム・ロバート・スチュアートのアメリカ船籍ナガサキ号が長崎に来航し貿易を要求する。

・アミアン講和条約が破棄され、ナポレオン戦争が再開される( – 1815年)。
・帝国代表者会議主要決議による神聖ローマ帝国の陪臣化と世俗化が決定される。
・アメリカ大統領トーマス・ジェファーソンがフランスからミシシッピ以西のルイジアナを買収。
・第一次サウード王国がヒジャーズを征服し、メッカ・メディナの両聖地を支配下に置く。
・イギリスとマラーター同盟の間で第二次マラーター戦争が勃発する( – 1805年)。同年にムガル帝国はイギリス保護下に入った。
イギリス人マシュー・フリンダースがオーストラリア大陸周航を達成する。
・ナポレオン1世の戴冠式と皇妃ジョゼフィーヌの戴冠。

1804年
・ナポレオン・ボナパルトがフランス皇帝に即位(フランス第一帝政)。
・神聖ローマ皇帝フランツ2世が、ハプスブルク家領を再編しオーストリア皇帝フランツ1世として即位(オーストリア帝国)。
・ロシア使節レザノフが長崎に漂流民津太夫らを護送、貿易を求める。
・ハイチがフランスから独立(世界初の黒人による共和国)。
・象潟地震により象潟の海岸が隆起して陸地となる。

1805年
・トラファルガーの海戦
・アウステルリッツの三帝会戦。
・オスマン帝国によりムハンマド・アリーがエジプト総督に任命される(ムハンマド・アリー朝の成立)
・紀伊の医師華岡青洲が初めて麻酔剤を用い乳癌を手術する

1806年
・ライン同盟の成立による神聖ローマ帝国の滅亡
・イエナ・アウエルシュタットの戦い、ナポレオンのベルリン入城、大陸封鎖令(ベルリン勅令)の発令。
・文化露寇(フヴォストフ事件)。江戸で文化の大火(丙寅の大火)。

1807年
・ティルジットの和約。ヴェストファーレン王国とワルシャワ公国が成立
・プロイセンでシュタイン・ハルデンベルクの改革が始まる。
・フィヒテの講演「ドイツ国民に告ぐ」( – 1808年)。ヘーゲル『精神現象学』刊行。
・オスマン皇帝セリム3世がイェニチェリ軍団に廃位され、ムスタファ4世が即位。
・ロンドン伝道協会の牧師ロバート・モリソンがマカオに上陸(プロテスタントの中国伝来)。

1808年
・スペインの政変でカルロス4世が退位し、フェルナンド7世が即位。
この混乱でフランス軍がスペインを占領。ナポレオンの兄ジョゼフがスペイン王(ホセ1世)となる。
・スペイン人がフランス支配に抵抗しスペイン独立戦争が起こる。宮廷画家ゴヤは「マドリード、1808年5月3日」を描く。
・ポルトガルのブラガンサ王家が亡命し、ブラジルのリオデジャネイロに到着。
・日本の長崎でフェートン号事件。
・間宮林蔵が樺太を探検し、「大日本国国境」の標柱を建てる。

1809年
・ヴァグラムの戦い
・ナポレオンがジョゼフィーヌと離婚

・ミハイル・スペランスキーが「国家改造案」をロシア皇帝アレクサンドル1世に提出。
チェガルの戦い(英語版)でオスマン帝国がセルビア人反乱を鎮圧。

・ペルシア湾の戦い(英語版)でイギリスがアル・カシミ一族(英語版)に勝利し制海権を掌握。

1810年
・ナポレオンがハプスブルク皇女マリー・ルイーズと結婚。
・ベルリン大学が創設される。
・メキシコ独立運動の先駆者ミゲル・イダルゴの「ドローレスの叫び」。
・カメハメハ1世がハワイ諸島を統一し、ハワイ王国を建国。
・スウェーデン王太子カール・アウグストが事故死、ストックホルムの暴動でフェルセンが惨殺される。
・ロシアでミハイル・スペランスキーにより国家評議会が設置される。

・シタデルの虐殺。エジプト総督ムハンマド・アリーはアラビア半島遠征への壮行会に乗じてこの国の支配者層であるマムルークを虐殺し、権力基盤を固めた。

1811年
イギリス国王ジョージ3世が精神疾患のため、王太子ジョージが摂政となる(摂政時代 – 1820年)。
イギリスで機械打ち壊し運動であるラッダイト運動発生。
ムハンマド・アリーによる「シタデルの虐殺(惨劇)」。
ゴローニン事件。最後の朝鮮通信使が対馬に到着(易地聘礼)。

ナポレオンのロシア遠征。画像はアドルフ・ノーザンの「ナポレオンのモスクワからの退却」。
1812年
ナポレオンのロシア遠征。
米英戦争( – 1814年)。
1813年
清の北京紫禁城に林清率いる白蓮教系天理教徒が乱入。
ライプツィヒ諸国民戦争でナポレオン敗北。

革命への反動。画像はウィーン会議の様子を描いたJ.B.Isabenの絵画。
1814年
キール条約でデンマークがノルウェーをスウェーデンに割譲。
フォンテーヌブロー条約によりナポレオンがエルバ島に流される。
ルイ18世が帰還しフランス国王となる(ブルボン復古王政)。
ウィーン会議。
グルカ戦争( – 1816年)。
イギリス人ラッフルズがジャワ島のボロブドゥール遺跡を発見する。

ナポレオン戦争の終結。画像はワーテルローの戦い。
1815年
ワーテルローの戦いでナポレオン敗北、百日天下が終わり、セントヘレナ島に流される。
ウィーン議定書の締結、ウィーン体制( – 1848年)の成立。
イギリスでリヴァプール内閣が穀物法を制定。

「メデューズ号の筏」。モーリタニア沖での難破で船員147名のうち15名しか生存しなかった。画像はこの事件を描いたフランス人画家テオドール・ジェリコーのもの(ルーブル美術館蔵)。
1816年
前年のインドネシア・タンボラ火山噴火の影響で各地が寒冷化し「夏のない年」と呼ばれる。
世界で最初にイギリスが金本位制を導入する。
イギリス全権としてアマーストが清に貿易拡大を要求するが拒絶される。
アルゼンチン(ラプラタ連合)がスペインから独立。
以後、中南米諸国の独立が相次ぐ(→ アメリカ大陸諸国の独立年表)。
モーリタニア沖でメデューズ号の座礁事件。
1817年
エルギン卿のパルテノン神殿彫刻(エルギン・マーブル)を大英博物館で公開。
アメリカ合衆国大統領にモンローが就任。党派対立がほとんどない「好感情の時代」を迎える。
光格天皇が譲位し、第120代仁孝天皇が即位。
「寛政の遺老」で老中首座の松平信明の死去、水野忠成が老中首座となる
セルビア公国がオスマン帝国から独立。
インドのカルカッタから世界初のコレラ大流行が起こる( – 1823年)。
1818年
スウェーデンでカール14世が即位し、新王朝ベルナドッテ朝開始。
アーヘン会議で、四国同盟にフランスが加わり五国同盟となることが決定。
エジプトが第一次サウード王国を攻略し滅亡させる。
チリがスペインから独立。

パンジャーブのシク王国。イギリスのインド進出に最後まで抵抗したのがシク王国である。画像は国王ランジート・シングの宮廷(ダルバール)を描いた細密画。
1819年
イギリスでピータールーの虐殺事件。
イギリス人ラッフルズによりシンガポール開港。
ドイツ学生運動ブルシェンシャフトを取り締まるカールスバート決議が成立。
アダムズ=オニス条約でアメリカ合衆国がスペインからフロリダを購入。
シク王国のランジート・シングがカシミール地方を占領。
文政の改鋳。
1820年代
詳細は「1820年代」を参照
1820年
リエゴらによるスペイン立憲革命でカディス憲法が復活( – 1823年)。
秘密結社カルボナリによるナポリ革命。
フランス王位継承予定者ベリー公シャルル・フェルディナンが暗殺される。
ミロのヴィーナスが発見される。
アメリカ合衆国でミズーリ協定。
清の道光帝が第8代皇帝に即位。
1821年
セント・ヘレナ島にてナポレオン死去。
ギリシャ独立戦争( – 1829年)が始まる。
メキシコ、ペルー及びグアテマラ総督府がスペインから独立する。
世界最初の鉄製汽船アーロン・マンピー号がイギリスで完成する。
幕府が蝦夷地の上知を止め、松前藩を蝦夷地に戻す。
長崎に駱駝が輸入され、翌年から大坂・江戸で見世物として評判となる。

ギリシア独立戦争。画像はウジェーヌ・ドラクロワの「キオス島の虐殺」。
1822年
文政5年のコレラ流行。
ギリシャ独立宣言(ギリシャ第一共和国成立)。キオス島の虐殺事件。
ホセ・デ・サン・マルティンとシモン・ボリーバルがグアヤキルで会談。
ブラジル帝国がポルトガルから独立する。

グアヤキルの会談。スペイン支配からラテンアメリカを別個に独立させてきた二人の指導者ホセ・デ・サン・マルティンとシモン・ボリーバルがこの地で会見した。
1823年
アメリカ合衆国がモンロー宣言を発する。
インドのアッサム地方でイギリス人・ロバート・ブルースが野生茶樹を発見。
旧グアテマラ総督府支配地から中米連邦が結成される。
1824年
ギリシア独立義勇軍に参加した詩人バイロンがミソロンギで病死。
エジプトのムハンマド・アリーがオスマン帝国側についてギリシア独立戦争に参戦。
トゥルキー・ビン・アブドゥッラーがリヤドを都とし、第二次サウード王国を建国。
1825年
スチーブンソンのロコモーション号が世界初の公共貨物鉄道としてストックトン-ダーリントン間に開通。
フランスで亡命貴族の補償金のための10億フラン法が成立する。
ロシアでデカブリストの乱が発生。
ロシア皇帝アレクサンドル1世没後、皇帝となったニコライ1世が反乱を鎮圧。
ボリビアがスペインから独立する。
文政の異国船打払令。鶴屋南北「東海道四谷怪談」初演。
1826年
アメリカ先住民チェロキー族がオクラホマへ強制移住(涙の旅路)。
ドースト・ムハンマドによりバーラクザイ朝アフガニスタンが成立する。
オスマン帝国でマフムト2世がイェニチェリ軍団を廃止。
ロシア皇帝ニコライ1世の命で皇帝官房第三課が創設される。
ザクセン=コーブルク=ゴータ公国が成立する。

清におけるアヘンの輸入超過。1820年代後半にはアヘン密輸により清の財政悪化が懸念され始めた。画像はアヘン吸引をする清の庶民。
1827年
ナヴァリノの海戦。
イギリスから清へのアヘン貿易額が、清からイギリスへの茶貿易額を初めて上回る。
アルジェ太守フサイン・イブン・パシャの扇の一打事件。
文政の改革。大坂切支丹一件。頼山陽『日本外史』刊行。
1828年
ロシアとイランでトルコマーンチャーイ条約を締結。
ポルトガル内戦( – 1834年)。
シーボルト事件。
ウルグアイの独立が承認される。
ロバアト・オウエンらによるインディアナ州ニューハーモニー共同体(英語版)の建設。
ラーム・モーハン・ローイらによるブラフモ・サマージの設立。
1829年
イギリスでカトリック教徒解放令。
アドリアノープル条約。ギリシャの独立が承認される。

ポーランドの十一月蜂起。ポーランド人はロシアの支配からの独立を求めたが鎮圧される。この知らせを受けたショパンは革命のエチュードを作曲した。
1830年
フランスのアルジェリア出兵。
フランス七月革命。
国王シャルル10世が亡命しブルボン復古王政崩壊。
オルレアン家のルイ・フィリップがフランス国王となり七月王政成立。
オランダからベルギーが独立(ベルギー独立革命)。
オランダ領東インド総督ヨハネス・ファン・デン・ボッシュが就任し強制栽培制度を導入。
ロシア支配下のポーランドで独立運動(十一月蜂起)が起きるが鎮圧される。
スチーブンソンのロケット号が世界初の旅客鉄道としてマンチェスター-リヴァプール間に開通。
アメリカ合衆国でインディアン移住法。
大コロンビアが解体され、ベネズエラ・エクアドルが独立。

画狂人北斎。数ある浮世絵師の中でも市井の中で90歳近くまで絵筆をとり続けていた北斎は構図や構想では群を抜いており海外での評価も高い。画像は1831年頃に出版された葛飾北斎の「富嶽三十六景」の「神奈川沖浪裏」。
1831年
ジョン・レニー設計のロンドン橋が完成。
チャールズ・ダーウィンのビーグル号での航海始まる( – 1836年)
モデナやパルマでの中部イタリア革命が鎮圧される。
第一次エジプト・トルコ戦争( – 1833年)。
1832年
イギリスのグレイ内閣による第1回選挙法改正。腐敗選挙区の廃止による政党の再編成。
フランスで「1832年の六月暴動」。
カール・フォン・クラウゼヴィッツ『戦争論』が刊行される。
1833年
天保の大飢饉( – 1839年)。
スペインでカルリスタ戦争始まる( – 1876年)。
バイエルン王子のオットー(オソン1世)がギリシア国王として即位。
英国国教会でジョン・ヘンリー・ニューマンらによりオックスフォード運動が起こる。

ウジェーヌ・ドラクロワ「アルジェの女たち」。1834年に描かれたこの作品はロマン主義の異国趣味を示すとともに、東方世界を退廃的で官能的なものと見なす「オリエンタリズム」を示す作品でもある(ルーヴル美術館蔵)。
1834年
ドイツ関税同盟発足。
フランスがアルジェリアを併合。
パリ・トランスノナン街の虐殺。
清とイギリス全権大使チャールズ・ネイピアが貿易交渉を行うが決裂、イギリスの軍艦は虎門塞砲台を砲撃。
ボーア人によるグラハムズタウン会議においてイギリス支配からの独立と内陸部への移住が決定される(グレート・トレックの始まり)。
1835年
ハレー彗星接近。
世界初の近代的通信社であるフランスのアヴァス通信社が開業する。
アルゼンチンでブエノスアイレス州知事ロサスの独裁政治始まる( – 1852年)。
1836年
パリのエトワール凱旋門完成(1806年 – )。
アラモの戦いとテキサス独立宣言。
1837年
徳川家慶が江戸幕府第12代将軍となる。
大塩平八郎の乱、生田万の乱。
モリソン号事件。
イギリスでヴィクトリア女王即位( – 1901年)。ヴィクトリア時代始まる。

帆船から蒸気船へ。交通革命により蒸気機関が搭載された船が海の主役になった。画像はウィリアム・ターナーの「戦艦テメレール号(ロンドン・ナショナル・ギャラリー蔵)」でトラファルガー海戦で戦った名だたる戦艦が蒸気船に引かれて解体されに向かうところである。

チャーティスト運動。1838年には「人民憲章」がまとめられ更なる選挙権の拡大が唱えられた。
1838年
イギリスで人民憲章がまとめられ、選挙権の更なる拡大を訴えるチャーティスト運動起こる。
メキシコの菓子戦争( – 1839年)。
第一次アフガン戦争( – 1842年)。
緒方洪庵が瓦町に適塾を開く( – 1868年)。高野長英『戊戌夢物語』を執筆。
1839年
世界初の実用的写真術「ダゲレオタイプ」が公表される。
中米連邦が解体。
アミスタッド号事件。
蛮社の獄。
第二次エジプト・トルコ戦争( – 1840年)。
オスマン皇帝アブデュルメジト1世がギュルハネ勅令を発布(タンジマート)。
1840年代

アヘン戦争。イギリスの砲撃により大破する清の軍艦。
詳細は「1840年代」を参照
1840年
アヘン戦争( – 1842年)。
「天保11年の三方領知替え」から天保義民事件が起こる。
ナポレオンの亡骸がパリに帰還しアンヴァリド(廃兵院)に安置される。
ニュージーランド先住民族マオリとイギリスの間でワイタンギ条約が結ばれる。

ビーダーマイヤー時代。ウィーン体制の相対的安定は政治や国際情勢ではなく小市民としての平穏な生活を優先する人々の嗜好に合致していた。画像はビーダーマイヤー時代を代表するドイツ人画家カール・シュピッツヴェークの「日曜日の散歩」。
1841年
リヴィングストンがアフリカ大陸での宣教を開始。
大御所徳川家斉死去。老中水野忠邦による天保の改革( – 1843年)。
大御所家斉の側近を処罰、智泉院・感応寺事件。
奢侈禁止令、株仲間解散令、江戸三座の猿若町移転。
1842年
清とイギリスの間で南京条約締結。
天保の薪水給与令。
曲亭馬琴の『南総里見八犬伝』が完結する。
1843年
人返し令。上知令の発布、しかし反対派が多く上知令撤回とともに水野忠邦は老中を罷免される。
フランスがタヒチの領有を宣言する。

天保の改革。老中水野忠邦によるこの改革は性急で厳格なものであったため、江戸では庶民の怨嗟の声が満ち溢れた。画像は浮世絵師歌川国芳の「源頼光公館土蜘作妖怪圖 」で江戸庶民の不満を妖怪に見立て、頼光四天王を当時の幕閣に見立て批判している。
1844年
アメリカ合衆国と清で望厦条約締結。フランスと清で黄埔条約締結。
オランダ国王ウィレム2世が徳川幕府に開国を勧告。
ドミニカ共和国が独立。

ジャガイモ飢饉。連合王国に併合されたアイルランドでは、その弊害としてイギリスに住む不在地主の搾取により大飢饉が発生し人口が激減した(1841年 – 1851年)。
1845年
ヨーロッパでジャガイモ飢饉。特にアイルランドで深刻な被害( – 1849年)。
アメリカ合衆国がテキサス共和国を併合。ジョン・オサリヴァンが「マニフェスト・デスティニー」の語でこの併合を鼓舞する。
1846年
ピール内閣が穀物法を廃止し、イギリスの自由主義貿易が確立する(1815年 – )。
テキサスの帰属をめぐり米墨戦争が起こる( – 1848年)。
アゼルバイジャンのバクー油田が初めて開削される。
仁孝天皇が没し、第121代孝明天皇が即位。
クラクフ蜂起。
1847年
スイスで分離同盟戦争起こる。
モルモン開拓者がソルトレイクシティの建設を始める。
アメリカ植民地協会の支援によるリベリアが西アフリカ胡椒海岸地帯で独立。
ボリビアがスペインから正式に独立。
京都御所に学習所が開講される(後の学習院大学)。

諸国民の春。1848年のベルリンにおける三月革命。同時期にウィーンでも革命が起こり宰相メッテルニヒはイギリスに亡命しウィーン体制は崩壊した。
1848年
「諸国民の春」。
フランス二月革命。
国王ルイ・フィリップが亡命し七月王政崩壊。第二共和政成立。
第二共和政政府の内紛から六月暴動発生。国民投票でルイ・ナポレオンが大統領になる。
ドイツ・オーストリア三月革命。
ウィーンからメッテルニヒがイギリスに亡命し、ウィーン体制が崩壊する。
プロイセン国王フリードリヒ・ヴィルヘルム4世のもと欽定憲法が成立する。
フランクフルト国民議会が招集される( – 1849年)。
パラツキーのチェコ独立運動、コシュートのハンガリー独立運動など起こる。
オーストリア帝国皇帝フェルディナント1世が退位。フランツ・ヨーゼフ1世が即位。
サルデーニャ王カルロ・アルベルトのイタリア統一運動が起こる。
第一次シュレースヴィヒ=ホルシュタイン戦争。
マルクスとエンゲルスがロンドンで「共産党宣言」を発表。
米墨戦争終結に伴うグアダルーペ・イダルゴ条約。
メキシコはアメリカ合衆国にカリフォルニア・ネバダ・ユタ・ニューメキシコその他の領土を割譲。
アメリカ合衆国領となったカリフォルニアで金鉱発見(カリフォルニア・ゴールドラッシュ)。
イランでバーブ教徒の乱( – 1850年)。
同年イランの大宰相に就任したアミール・キャビールの近代化政策でバーブ教徒は弾圧される。
1849年
「諸国民の春」の退潮。
プロイセン国王フリードリヒ・ヴィルヘルム4世がドイツ皇帝の帝冠を拒否する。
マッツィーニらによりローマ共和国が樹立されるが、フランス軍により倒される。
ノヴァーラの戦いでカルロ・アルベルトのイタリア統一運動がオーストリア軍に鎮圧される。
ブダとペシュトが陥落し、コシュートらのハンガリー独立運動がロシア軍に鎮圧される(ヨーロッパの憲兵)。
ロシアでペトラシェフスキー事件。
第2次シク戦争(1848年 – )でイギリスが勝利し、インド最後の反英勢力シク王国が滅亡。
1850年代

第一回万国博覧会。ロンドンで行われガラスと鋼鉄でできた水晶宮が話題となった。

白衣の天使。イスタンブール近郊のスクタリにてクリミア戦争での負傷兵を見舞うフローレンス・ナイチンゲール。

オスマン帝国の改革。クリミア戦争を乗り切ったオスマン帝国はアブデュルメジト1世のもと大胆な近代化に取り組んだ。かつてのトプカプ宮殿から西欧化されたドルマバフチェ宮殿への移動もその流れの一つである。画像はこの宮殿の「儀式の間」。

パリ大改造。ナポレオン3世により生まれ変わったパリは近代都市計画の模範となった。画像はカイユボットの「パリの通り、雨の日」。

黒船来航。ペリー司令長官率いるアメリカ東インド艦隊の出現は200年以上続いた日本の「泰平の世」を揺るがした。画像は1854年に再び日本を訪れて横浜に上陸したペリー一行を描いたもの。
詳細は「1850年代」を参照
1850年
オルミュッツ協定(オルミュッツの屈辱)。
バーブ教開祖セイイェド・アリー・モハンマド(バーブ)がイラン政府に銃殺される。
清で太平天国の乱(- 1864年)。
清の咸豊帝が第9代皇帝に即位。
1851年
世界初の万国博覧会がロンドンで開催され、水晶宮が建設される。
ウルグアイ内戦が終結(1839年 – )。
漂流民だったジョン万次郎が日本に帰国する。
1852年
ルイ・ナポレオン(ナポレオン3世)がフランス皇帝に就任(フランス第二帝政)。
世界初の百貨店としてパリのボン・マルシェ百貨店が開業。
カヴールがサルデーニャ王国の首相となる。
ハリエット・ビーチャー・ストウ『アンクル・トムの小屋』を発表。
モンテネグロがオスマン帝国から事実上独立し、モンテネグロ公国が成立。
河北潟干拓の疑獄事件で金沢藩御用商人銭屋五兵衛が獄死。
1853年
クリミア戦争(- 1856年)。
セーヌ県知事オスマンによるパリ大改造始まる。
黒船来航。
徳川家定が江戸幕府第13代将軍となる。
琉球を経て、ペリーが浦賀に来航。
プチャーチンが長崎に入港。
太平天国軍が南京を占領、天京と改称して都として建国。
張楽行らが率いる華北各地の捻軍も太平天国に呼応。
1854年
ペリーの再来航による日米和親条約締結(日本の開国)。
老中阿部正弘らによる安政の改革( – 1857年)。
日本で安政東海地震、安政南海地震。大坂で8代目市川團十郎が自殺する。
広東省の珠江デルタ西岸の四邑地域で「土客大械闘」が起こる。
アメリカ合衆国でカンザス・ネブラスカ法の制定。
1855年
万国博覧会がパリで開催され、産業宮が建設される。
タイとイギリスでボーリング条約(英泰友好通商条約)締結。
日本で安政江戸地震。京都御所が再建がされる(安政の造営)。
1856年
クリミア戦争講和のためのパリ条約締結。
日本のアメリカ合衆国総領事としてハリスが着任。
オスマン帝国で改革勅令(ハッティ・フマユーン)が公布される。
オスマン宮廷がトプカプ宮殿からドルマバフチェ宮殿に移される。
雲南省で杜文秀による回民反乱(パンゼーの乱)が起こる( – 1873年)。
天京事変により太平天国が内部分裂。
1857年
アロー戦争(-1860年)。
インド大反乱(セポイの乱)。ムガル皇帝バハードゥル・シャー2世が擁立される。
1857年恐慌。
1858年
バハードゥル・シャー2世が廃位されミャンマーに流刑。ムガル帝国滅亡。
フェリーチェ・オルシーニによるナポレオン3世暗殺未遂事件。
清とイギリス・フランスが天津条約を締結。清とロシアがアイグン条約を締結。
井伊直弼が大老となり、 老中堀田正睦らが失脚。
日米修好通商条約を含む安政五ヶ国条約が締結される。
徳川家茂が江戸幕府第14代将軍となる。
安政の大獄始まる。安政5年のコレラ大流行。
福沢諭吉が慶応義塾大学のもととなる蘭学塾を創設。
1859年
スエズ運河の建設はじまる( – 1869年)。
イタリア統一戦争開始、ソルフェリーノの戦い、ヴィッラフランカの和約。
ウェストミンスター宮殿(イギリス国会議事堂)の大時計台ビッグ・ベンが完成。
ダーウィン『種の起源』で進化論を発表。
ハーパース・フェリーでのジョン・ブラウンの反乱。
オスマン帝国の属国だったワラキアとモルダヴィアが統合し、ルーマニア公国が成立。
1860年代

エジプトのサムライたち。徳川幕府がフランスに派遣した横浜鎖港談判使節団の一行がスフィンクス像前で撮った写真。

太平天国の乱の顛末。拝上帝会の洪秀全を天王とする宗教運動はやがて清朝を揺るがす大反乱へと発展した。画像は1864年の天京攻防戦で、この戦いで太平天国は清朝に殲滅されたのである。

同治中興。アロー戦争後に即位した同治帝の時代から清朝では洋務運動と呼ばれる近代化が進められた。画像は漢人官僚の李鴻章が1865年に南京に作らせた金陵機器製造局の写真。

メキシコ出兵。この失敗により大西洋を越えたナポレオン3世の遠大な野望は潰え、彼自身の求心力の低下にもつながった。画像はエドゥアール・マネの描いた「メキシコ皇帝マクシミリアンの処刑(マンハイム市立美術館蔵)」。

大政奉還。江戸幕府15代将軍徳川慶喜は倒幕運動の高まりの中で朝廷に政権を返上する決断を下した。画像は邨田丹陵 の歴史画「大政奉還図(聖徳記念絵画館蔵)」で京都二条城に集まった慶喜と諸藩重臣たちが描かれている。

スエズ運河開通。この運河によりヨーロッパからアジアへの航路は大幅に短縮された。

最初の大陸横断鉄道。大西洋側と太平洋側から伸びた鉄路がプロモントリーサミットで結ばれた。写真はこの地での1869年5月10日の開通記念式典の模様。
詳細は「1860年代」を参照
1860年
円明園が破壊略奪され、清とイギリス・フランスが北京条約を締結。
ロシアも清と北京条約を結び沿海州を獲得、ここにウラジオストクを建設。
ガリバルディ率いる千人隊がシチリア島に上陸し占領。
国王フランチェスコ2世が逃亡し両シチリア王国滅亡。
ガリバルディは占領した南イタリアをサルデーニャ王に献上する(テアーノの会見)。
英仏通商条約(コブデン・シュヴァリエ条約)。
テトゥアンの会戦でスペインがモロッコのアラウィー朝に勝利。
桜田門外の変で大老井伊直弼が水戸浪士に暗殺される。
安藤信正・久世広周政権成立。 万延元年遣米使節。
1861年
アメリカ合衆国で南北戦争(- 1865年)。
フランス・スペイン・イギリスのメキシコ出兵。
メキシコのファレス政権の対外債務支払い停止宣言に対抗。
イタリア王国成立。
ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世が初代イタリア国王となる。初代首相カヴールはこの年に急逝。
清の咸豊帝が死去。
辛酉政変(祺祥政変)で西太后が実権を握り粛順らが処刑される。
西太后の垂簾聴政のもと同治帝が第10代皇帝に即位。同治中興の始まり。
ロシア皇帝アレクサンドル2世による農奴解放令。
ロンドンで世界最初の地下鉄が開通する。
1862年
アメリカ合衆国大統領リンカーンの奴隷解放宣言、ホームステッド法の制定。
ビスマルクがプロイセン王国宰相に就任し「鉄血演説」を行う。
将軍徳川家茂と皇女和宮の結婚、坂下門外の変。
薩摩藩主の父島津久光の上京、寺田屋事件。
島津久光の幕政参画による文久の改革、生麦事件、文久遣欧使節。
1863年
ポーランド一月蜂起。
赤十字国際委員会が創設される。
将軍家茂の上洛、新撰組の設置、八月十八日の政変、薩英戦争。
バーブ教の流れを引くバハー・ウッラーがバハイ教を開く。
1864年
教皇ピウス9世の回勅「クワンタ・クラ」と「誤謬表」。
第二次シュレースヴィヒ=ホルシュタイン戦争。
ロンドンにて第一インターナショナルが結成される( – 1876年)。
ロシアで地方自治制度のゼムストヴォが導入される。
三国同盟戦争( – 1870年)。
参預会議の崩壊、下関戦争、池田屋事件、禁門の変、一会桑政権成立、天狗党の乱、第一次長州征伐、横浜鎖港談判使節団。
1865年
南北戦争の終結。
南部連合首都リッチモンドが陥落。
アポマトックス・コートハウスの戦いで南軍のリー将軍が降伏。
戦争終結から5日後にリンカーン大統領暗殺事件が発生。
長崎大浦天主堂で「隠れキリシタンの発見(カトリック信徒発見)」。
1866年
普墺戦争で、オーストリアが敗北し、ドイツ連邦崩壊。
ロシア皇帝アレクサンドル2世暗殺未遂事件(カラコーゾフ事件(英語版))。
第二次長州征伐、その途上で将軍家茂が大坂城で死去し攻撃は中止。
徳川慶喜が江戸幕府第15代将軍となり、慶喜主導による慶応の改革を行う。
フランス公使ロッシュによる対日借款の契約締結。 薩長同盟の結成。
1867年
メキシコ皇帝マクシミリアン処刑。
マクシミリアンはハプスブルク家の皇帝フランツ=ヨーゼフ1世の弟。
オーストリア=ハンガリー帝国成立(アウスグライヒ)。
ロンドン条約によりルクセンブルクが永世中立国とされる。
カール・マルクス『資本論』第1巻刊行。
ロシアがアラスカをアメリカ合衆国に売却する。
英領北アメリカ法。カナダが植民地からイギリス最初の自治領に。
南北戦争で敗北した南部諸州が再建法により軍政におかれる( – 1877年)。
孝明天皇が死去し、第122代明治天皇が践祚。
四侯会議の崩壊、討幕の密勅、徳川慶喜が朝廷に大政奉還。
坂本龍馬・中岡慎太郎暗殺される(近江屋事件)。
「ええじゃないか」の大流行。
キューバがスペインからの独立を宣言(キューバ独立戦争開始)。
1868年
明治維新。
王政復古の大号令。
幕府・摂政・関白を廃止、総裁・議定・参与の設置。
王政復古を各国公使に通告。小御所会議。
五箇条の御誓文。五榜の掲示。神仏分離令(廃仏毀釈)。
明治天皇即位式を上げる。改元し一世一代の制を定める。
江戸を東京と改称し、江戸城を皇居とし東京城と改称(東京奠都)。
戊辰戦争。
鳥羽・伏見の戦い。徳川慶喜の蟄居。 西郷隆盛と勝海舟の会談。
江戸城開城。上野戦争。東叡山寛永寺炎上。徳川氏を駿府に移封。
奥羽越列藩同盟と新政府軍の戦い。会津藩・庄内藩降伏。
榎本武揚ら蝦夷地を占領、五稜郭を本営とする。
ハワイ王国に最初の日本人移民(元年者)が到着する。
タイで国王ラーマ5世(チュラーロンコーン)が即位しチャクリー改革が始まる。
マグダラの戦いでエチオピアがイギリスに敗北し、エチオピア皇帝テオドロス2世が自殺。
スペイン名誉革命(英語版)
スペイン女王イザベル2世がフアン・プリム将軍ら軍部の政変でフランスに亡命する。
1869年
箱舘戦争(五稜郭の戦い)で旧幕府軍が降伏。版籍奉還。華族制度の創設。
教皇ピウス9世の召集で第1ヴァティカン公会議開催。
ネチャーエフ事件。
スエズ運河が開通する。
アメリカ合衆国で最初の大陸横断鉄道が開通する。
1870年代

ドイツ帝国の成立。ドイツ皇帝の戴冠式は普仏戦争に敗れたフランスのヴェルサイユ宮殿鏡の間で行われた。画像はアントン・フォン・ヴェルナーによるもの(ビスマルク博物館(ドイツ語版)蔵)。

第二次産業革命。科学技術の発展とその組織化により動力に石油・電気が用いられるようになり、工業は大規模なものとなった。特に統一後のドイツの革新が世界を席巻した。画像はドイツ人画家アドルフ・フォン・メンツェルの「鉄圧延機工場」。

ベルリン会議。露土戦争後のこの会議によって列強諸国による地域分割の原則が確定した。

アラジンに扮したディズレーリが、ヴィクトリア女王にイギリスの王冠とインドの皇帝冠を交換するよう迫る様子を描いた風刺画(1876年)。
詳細は「1870年代」を参照

1870年
普仏戦争。
セダンの戦いでナポレオン3世が捕虜となり、フランス第二帝政崩壊。
国防政府が戦争を継続する、フランス第三共和政の成立。
イタリア王国による教皇領接収、ローマ遷都。「未回収のイタリア」を除く統一の完成。
ニューヨーク市マンハッタンにメトロポリタン美術館が開館。

1871年
ドイツ帝国成立。
皇帝ヴィルヘルム1世の戴冠式がヴェルサイユ宮殿鏡の間で行われる。
フランスの敗北によりアルザス=ロレーヌの委譲を含むフランクフルト講和条約が結ばれる。
パリ・コミューン事件。
シカゴ大火。
アフリカで行方不明になっていたリヴィングストン博士をスタンリーが発見。
日本で廃藩置県実施。岩倉使節団派遣( – 1873年)。

1872年
ドイツでイエズス会の活動が禁止され、ヴァティカンと断交する(文化闘争)。
日本で学制・徴兵令・グレゴリオ暦導入。新橋-横浜を鉄道が開通。
明治5年の銀座大火に伴う銀座煉瓦街の建設。福沢諭吉『学問のすゝめ』初版刊行。
イエローストーン国立公園が世界初の国立公園に指定される。

1873年
1873年の恐慌「大不況」。
ウィーン証券取引所で株価が暴落、恐慌が発生し全世界に広がる(-1896年)。
ブダとペシュトが公式に合併しハンガリーの首都ブダペシュト(ブダペスト)が誕生する。
ドイツ・オーストリア・ロシアの三帝同盟締結。
国王アマデオ1世退位によりスペイン第一共和政成立。
トルコの小アジア・ヒッサリクの丘にてハインリヒ・シュリーマンが「プリアモスの財宝」を発見し古代都市トロイと断定。
西郷隆盛・江藤新平・副島種臣ら征韓論に破れ下野(明治六年政変)。
渋沢栄一らによる株式会社第一国立銀行開業。
日本で「キリシタン禁令」が廃止される。森有礼らによる「明六社」の結成。

1874年
万国郵便連合の設置。
イギリス東インド会社解散。
日本で板垣退助らにより民選議院設立建白書提出される。佐賀の乱。

1875年
イギリス首相ディズレーリがスエズ運河を買収。
パリのオペラ座が完成する。
ゴータ綱領(英語版)に基づきドイツ社会主義労働者党(後のドイツ社会民主党)が結成される。
清の光緒帝が第11代皇帝に即位。
マーガリー事件。
樺太・千島交換条約。江華島事件。

1876年
大宰相ミドハト・パシャらの起草によるオスマン帝国憲法(ミドハト憲法)を発布。
コーカンド・ハン国がロシアに滅ぼされ領土に編入される。
中央アジアでは同じ頃ブハラ・ハン国(1868年)とヒヴァ・ハン国(1873年)がロシアの保護国にされている。
インド大飢饉( – 1878年)。バルーチスターンのカラート藩王国がイギリスの保護国となる。
神風連の乱、秋月の乱、萩の乱。
純血タスマニア・アボリジニの最後の女性トルガニニが死亡し、この種族は絶滅。
バイロイト祝祭劇場が完成する( – 1872年)。

1877年
西南戦争。
東京大学が創設される。
露土戦争。
イギリス領インド帝国が成立し、ヴィクトリア女王がインド女帝兼任。
インド副王(総督)リットンによりデリー・ダルバール(英語版)が開催される。

1878年
ベルリン会議。
ロシア優位のサン・ステファノ条約に代わりドイツ宰相ビスマルクが中心となりベルリン条約を締結。
セルビア・モンテネグロ・ルーマニア三国が正式に独立。ブルガリア公国は当初の案より領土を縮小されたが自治を認められる。
この会議以後、ヨーロッパ列強が弱小国を分割・植民地化する傾向が強まる(帝国主義の時代)。
ドイツで社会主義者鎮圧法を制定。
紀尾井坂の変。竹橋事件。

1879年
ズールー戦争の勝利でイギリスがズールー王国を保護国化。
チリ対ペルー・ボリビアで太平洋戦争が起こる。
ローマ教皇レオ13世の回勅「エテルニ・パトリス」により新トマス主義の動きが高まる。
スウェーデン人アドルフ・エリク・ノルデンショルドが北東航路通行に成功し横浜に来航。
アメリカ元大統領ユリシーズ・グラントの日本訪問。
日本の琉球併合(琉球処分)。

1880年代

皇帝アレクサンドル2世の暗殺。農奴解放令を始めとする大改革に取り組んだアレクサンドル2世ではあったが、現状に不満を持つ急進派の標的とされあえなく絶命した。画像はサンクトペテルブルクでの爆発による皇帝暗殺の様子を描いたもの。

世界に広がる浮世絵。浮世絵はヨーロッパ諸国のジャポニズム(日本趣味)に影響を与えた。画像は1887年に描かれたフィンセント・ファン・ゴッホの「タンギー爺さん」。

ノイシュヴァンシュタイン城。プロイセンによるドイツ統一に屈服したバイエルン国王ルートヴィヒ2世による城。中世の君侯に憧れ次第に精神を病んでいった王の夢の城とされている。画像は1890年代の城の写真。

ニューヨークの自由の女神。アメリカ独立100周年を祝ってフランスからアメリカ合衆国に贈られた女神像。19世紀末までにはアメリカ合衆国は世界最大の工業国となり、新天地を求めた多くの移民がこの女神像を眺めつつ入国していった。

1880年
ドイツのケルン大聖堂が完成(1248年 – )。
日本で国会期成同盟結成。
第二次アフガン戦争。

1881年
明治十四年の政変。
開拓使官有物払下げ事件、大隈重信の追放、国会開設の勅諭、
自由党結成、松方正義の大蔵卿就任(松方デフレ)。
ロンドン自然史博物館が開館する。
ロシア皇帝アレクサンドル2世が暗殺される。ユダヤ人に対するロシア各地でのポグロム(英語版)が発生する。
ムハレム勅令により、オスマン債務管理局が設置される。

1882年
日本銀行創立。立憲改進党の結成。岐阜事件。
ドイツ・オーストリア・イタリアの三国同盟締結。
ロックフェラーのスタンダード石油がトラストを形成しアメリカ石油業界を独占する。
ウラービー革命にイギリスが介入。アレクサンドリアが砲撃され、エジプトはイギリスの保護国となる。

1883年
鹿鳴館が設置される。
オリエント急行(パリ-イスタンブール)開通。
インドネシアのクラカタウが大噴火(火砕流・津波による死者36,417名の惨事)。
ニューヨークのブルックリン橋が完成する。
フリードリヒ・ニーチェ『ツァラトゥストラはこう語った』第一部刊行。

1884年
清仏戦争(-1885年)。
群馬事件、加波山事件、秩父事件、自由党の解党。
ベルリン・コンゴ会議(-1885年)によりアフリカ分割の原則が定まる。
イギリスとドイツでのニューギニア島の分割が完了する

1885年
日本で内閣制度発足、伊藤博文初代総理就任(12月)。
イギリス領インド帝国のボンベイで第1回インド国民会議が開催される。
ブルガリア公国が東ルメリ自治州を併合。
マフディーの反乱でハルツームのゴードンらが虐殺される。
コンゴ自由国が成立する。

1886年
バイエルン国王ルートヴィヒ2世が廃位され怪死を遂げる。
フランスでブーランジェが陸相となる(ブーランジェ事件 - 1889年)。
イギリスでジョゼフ・チェンバレンが自由統一党を結成。
アメリカのニューヨークの自由の女神像の除幕式。
ジョージア州アトランタでコカコーラ発売。
ノルマントン号事件。

1887年
フランス領インドシナの成立( – 1954年)。
独露再保障条約締結。地中海協定(英語版)締結。
ハワイ国王カラカウアが「銃剣憲法(英語版)(ベイオネット憲法)」に署名する。

1888年
日本で枢密院設置、市町村制公布、明治宮殿の竣工。磐梯山噴火。
ロンドンで切り裂きジャック事件起こる。
雑誌『ナショナル ジオグラフィック』の刊行。

1889年
大日本帝国憲法発布(2月11日)、市町村制施行。大隈重信遭難事件。
第4回パリ万国博覧会開催。エッフェル塔の完成。
パリにて第二インターナショナルが結成される( – 1914年)。
オーストリア皇太子ルドルフ謎の情死(マイヤーリンク事件)。
ブラジル皇帝ペドロ2世廃位、ブラジルは共和政となる。

映画の誕生。フランス人のリュミエール兄弟によるこの発明はメディアの可能性を一挙に広げるものとなった。

アール・ヌーヴォー様式。世紀末には曲線を利用したフランス語で「新しい芸術」を意味するアール・ヌーヴォーが各地に拡がった。画像はヴィクトール・オルタの設計によるベルギー・ブリュッセルのタッセル邸の内部。

1890年
日本で第1回総選挙、第1回帝国議会、足尾鉱毒事件、凌雲閣(浅草十二階)の竣工。
エルトゥールル号遭難事件。
劇作家アントン・チェーホフがロシア帝国領サハリン島(樺太)を来訪。
ドイツ首相ビスマルクの引退、ドイツ皇帝ヴィルヘルム2世の親政始まる。

セシル・ローズがケープ植民相となり、ローデシア(現ザンビア・ジンバブエ)を併合。

1891年
教皇レオ13世の回勅「レールム・ノヴァールム」。
ロシアでシベリア鉄道起工。
イランでタバコ・ボイコット運動。
大津事件でロシアのニコライ皇太子負傷。神田駿河台のニコライ堂の竣工。

1892年
アメリカ合衆国西部でジョンソン郡戦争。
クーベルタン男爵がオリンピックの復活を提唱。

1893年
女王リリウオカラニが廃位されハワイ王国滅亡(ハワイ革命)。
パナマ運河疑獄でレセップスらが有罪判決を受ける。
初の婦人参政権がニュージーランドで成立。

1894年
日英通商航海条約の調印(条約改正による治外法権の撤廃)。
日清戦争( – 1895年)。
露仏同盟締結。
フランスでドレフュス事件。
フランス大統領カルノーが暗殺される。
ロンドンのテムズ川にかかるタワーブリッジが完成する。

1895年
日本と清が下関条約締結。
台湾・澎湖諸島が日本領となり、朝鮮が独立国となる。
日本の遼東半島領有に反対する三国干渉を招く。
西太后の隠居所である頤和園が完成する(1884年 – )。
フランス人リュミエール兄弟により映画が始まる。
キール運河(北海バルト海運河)が開通する。

1896年
明治三陸大津波(6月15日・M6.8)。
ロシアでホドゥインカの惨劇(英語版)。
アテネ五輪開催(第1回夏季オリンピック大会)。
アドワの戦いにてイタリア軍がエチオピア軍に大敗北。エチオピアは独立を死守する。
フランスがマダガスカル島のメリナ王国を滅ぼし、翌年には植民地化を宣言。
イランの君主ナーセロッディーン・シャーが暗殺される。

1897年
スイスのバーゼルにて第一回シオニスト会議が開かれる。
朝鮮が国号を大韓帝国と改称する。
宮城沖地震(2月20日・M7.9)。京都大学が創設される。

1898年
フランスの作家ゾラが「我弾劾す」の公開状を発表する。
オーストリア皇后エリーザベトが暗殺される。
米西戦争。パリ条約でアメリカ合衆国はフィリピン・グァム島・プエルトリコを獲得。
ファショダ事件。
清で変法派である康有為・梁啓超らの戊戌の変法が行われる。
西太后ら保守派の戊戌の政変で倒される(百日維新)。
明治民法施行

1899年
第1回万国平和会議がロシア皇帝ニコライ2世の提唱でオランダのハーグで開催される。
第二次ボーア戦争。
ドイツとアメリカ合衆国でのサモア分割が完了する。
フィリピン第一共和政が成立し、米比戦争が勃発する。
ラオス編入によるフランス領インドシナ連邦の成立。
ドイツ人ロベルト・コルデヴァイ(英語版)らによるバビロン遺跡の発掘が始まる。

1900年
清で義和団の乱。
清の西太后政府が義和団に与し、列強八カ国に宣戦布告。
北京は八カ国連合軍に占領され、西太后らは西安に蒙塵する。
敦煌莫高窟にて道士王円籙が古写本・画巻を含む大量の敦煌文献を発見する。

・1900年のパリ万国博覧会。
グラン・パレとプティ・パレが建設され、アレクサンドル3世橋が架けられる。オルセー駅(現オルセー美術館)の設置。
・カール・ラントシュタイナーがABO式血液型を発見(翌年論文発表[注 1])。
・マックス・プランクがエネルギー量子仮説を提唱、量子論の創始。
・フロイト『夢判断』刊行。
・新渡戸稲造『武士道』刊行。