2016年頃に書いていたブログを引用してまとめていきたい。
1.横浜と桐光学園
今年も両校はあたったが身体の大きさや選手層はやはり2016年と変わりがない。なかなか桐光学園が横浜に勝てない構図は変わっていない
【過去記事】
2016年 7月30日 横浜高校対桐光学園
横浜高校と桐光学園の実力差は7:3くらいであっただろうか。
横浜高校は昨年からレギュラーの多く残り上級生中心。桐光学園は下級生中心。
体の大きさも横浜桐光学園で7:3くらいである。
まずは、先発ピッチャーにエース起用
実力差もあり、横浜はタレント揃いで小細工は効かないと踏む。
また、打線という意味でも最初からと途中出場の背番号3を起用できる
→ただこれは桐光学園においてはよくある
第87回の投手の使い方も同様で3試合とも本調子ではなかった10番→1番の起用
次に、2回裏に代打を出して3回頭からエース投入
同点でまだまだこれからのタイミングでエース投入でも間に合う
→2回表の12番のHRのあと、3人ぴしゃりで迷いが出てしまいそうだがここでスイッチ
この2点でした。
あと、6回表のHRはまさかノースリーから手を出してくるとは。。。
ここは、予知できませんでしたが5番で勝負したかった
→この日の横浜打線は3番、4番、6番とは勝負を避け、5番、7番との勝負に持ち込みたかった。
相変わらず1番、2番、9番は横浜らしいいやらしいバッター。8番も打撃なかなか良い。
おそらく四死球も勝負の行方に絡んでいたと思いますが、時間がたってしまったので忘れてしまいました。
2.左と右の2枚エース
2024年秋も奥村君、織田君は残るのでしばらく強い
去年夏の覇者慶應や今春の覇健大高崎も遡れば比嘉公、照屋の沖縄尚学。。。
やはり左右の2枚は勝ち上がるための条件となる。公立高校でも2枚育てたい。
【過去記事】
2016年8月 横浜が強い時の典型的な年
絶対的なエースが二枚
→二人で県大会を肩を消耗させず順番に投げていく
右は150キロを越える真っ直ぐとキレのあるスライダーの本格派
左は135キロ~140キロ前半の真っ直ぐと右打者アウトローに逃げながら沈むスクリュー、そして制球力がピカイチ
涌井と成瀬がいるように
3.2024年決勝の東海大相模戦も大盛況
今はあの横浜高校が共学であることに驚愕
【過去記事】
2016年8月12日 横浜高校校歌と応援歌
横浜高校の校歌や応援歌を聞くとそれだけで、またこの季節がきたかとわくわくしてくる。
横浜高校の校歌や応援歌はOBでなくとも知っている人が多い
野球の強さとブラスバンド(応援団)の実力は間違いなく比例している。
大阪桐蔭や東海大相模、また、沖縄県勢の勢いあまる応援しかり。
スタンド応援も含め相手を圧倒するのが勝ち上がるための必須要件の1つである。吹奏楽部との連携にも少し目を向けたい。
また、高校野球における校歌というのは特別なものがある。
通常、在学中も校歌を歌う場面というのは滅多になく、在学生でも覚えていないことが多い。
ただ、野球部OBはいつまでも覚えていて、毎年母校が予選で勝つ度に大声で、もしくは、控えめながらも心の中で歌っているのである。
生涯で一番校歌を歌うのは甲子園強豪校の出身者か早稲田大学、慶応大学出身のスポーツ好きであろう。
校歌を甲子園という聖地で奏でることは、一個人の夢だけではなく、伝統を作ってきた高校全体の夢となる!
4.先頭のファーボール
最近日本ハム新庄監督がファーボールは何個出しても良いといった発言があったが、アマチュアスポーツの中ではやはり不用意なファーボールは避けたい。 流れを変える、試合を決するのは未だにファーボールであることが多い。【過去記事】2016年8月 先頭のファーボール
野球において守備側が先頭打者を出すことは百害あって一利なしである。
その中でも、先頭打者をファーボールで出そうものならピッチャーは犯罪者のごとく責められる。
少年野球を始めた時からコーチに言われ始め、野球人生を終えるその瞬間まで言われ続ける。
失点に絡む確率は定かではないが、小、中、高の監督、解説を聞いていても渡辺監督(元横浜高校監督)鬼島さん(元慶応大学監督)野村監督(元ヤクルト監督)が揃えて口に出す。
アマチュアだろうとプロだろうと先頭打者へのファーボールはノーである。
プロ野球の試合では一発が試合を決めることも多いが、高校野球の場合は圧倒的にファーボールとエラーが試合を決することが多い。
攻撃のバリエーションの多い横浜高校や格上の強豪校に対して先頭のファーボールを出すことは敗戦を意味するので絶対に避けなければならない。
5.ジャイアントキリング
この記事の3年後2019年に県立相模原は横浜高校を下している。ちょうど2024年横浜ベイスターズで活躍している度会選手などが在籍していた横浜高校にである
佐相監督など公立の力ある監督に今後も期待したい。
https://news.yahoo.co.jp/articles/51c3df1d303691051846a80d9362c1f91946637a
【過去記事】
2016年8月
私たちはジャイアントキリングを心のなかで期待している。
2015年ラグビーワールドカップで日本代表が優勝候補の一角の南アフリカ代表を破り大注目を浴びた。
名将エディージョーンズのもと素晴らしい準備をおこない、試合の中でもミスを最小限に抑えビッグプレーを連発した。
クリリンがフリーザに勝つ、桐谷美玲が吉田沙保里に勝つほどの凄さとも報じられた。
ハリーポッター作者J・K・ローリングも「こんな話は書けない」とコメントしていた。
ただ、日本代表は優勝はできていないし、決勝トーナメントにも進出できずに敗退した。
神奈川でも公立校が強豪私学に勝つことはあるが甲子園に出場するためには少なくとも3,4回ジャイアントキリングをおこす必要がある。
公立高校が神奈川県代表として甲子園に出場するのは、ラグビーワールドカップで日本代表が優勝するのに匹敵する難しさである
この日神奈川県大会4回戦県立相模原対横浜の試合が県立相模原の地元相模原球場で行われた。
春ベスト4まで勝ち上がり第1シードの県立相模原とノーシードの横浜との対戦だ。
11時試合開始の1時間前には球場をぐるっと2周するほどの長蛇の列となっていた。
そして開門後入場が間に合わず異例の試合開始を送らせるという処置も取られ1時間もたたないうちに満員札止めとなった。
今年の県立相模原の勢いなら横浜に勝てるかもしれないとの期待、大番狂わせすなわちジャイアントキリングをこの目で見たいというファンでいっぱいになったのだ。
試合は3-0で横浜に軍配があがった。
序盤はさすがの横浜も球場の雰囲気にのまれ本調子ではなかったが、早々に冷静さをとりもどし危なげなく勝利した。
県立相模原は毎年上位にコマを進めてくるのだが、監督の佐相さんは、中学軟式野球からの転身者である。相模原市内の中学を率いて全国大会常連者であり、高校野球の指導者になり数年、前赴任先の川崎北高校、相模原高校で頻繁に上位進出を果たしている。
今後も県立相模原高校の可能性に注目していきたい。
6.横浜高校の野球偏差値は75
野球は打って守るだけの単純なスポーツではない。グラウンド全体で何が起こり、1シーン1シーンでどういう対応をするのかチーム全員が把握しておく必要がある。
同じ絵をどれだけチームでみておけるのかが重要である。
【過去記事】
2016年8月野球偏差値
偏差値と言えば、受験の際に模試の成績などから算出されて、自分が今全体のどのくらいの位置にいるのかはかる指標のようになっている。
ここでの偏差値とは体力や技術といった個人の能力とは別にチーム戦術(高校に入ってからチームとして伝統的に徹底され叩き込まれ選手の血肉となっている部分)を指標としてみる。
野球でスポットライトがあたるのは、投手の豪速球であったり、豪快な打撃、レーザービームのようなバックホーム、華麗なファインプレーであるのは間違いない。
ただ、上記のような体力技術力が多少劣っていたとしても勝敗を引っくり返すことができるのが高校野球の醍醐味である。
下記につらつらと野球偏差値をあげる項目をあげてみる。
①監督力(采配、選手起用)
②バント、スクイズ
③ヒット・エンド・ラン
④投手のフィールディング、牽制
⑤カバーリング
⑥走塁技術、守備位置の嗅覚
①~⑤は横浜高校内で徹底されていて、⑥については半分は教えられるかもしれないが、半分は野球人生の中で選手自らが身につけてきた部分となる。
野球センスのほとんどがここにあらわれてくるといっても過言ではない。
横浜高校は体力、技術を兼ね備えた中学生をスカウトするのももちろん上手いが、入ってからの野球を教え込み、選手がチーム戦術を理解した上でグラウンドにたち、プレーをしている。
この野球偏差値の部分の高さがずば抜けている!
7.横浜高校はいつ公立高校に負けたのか
この記事のあと2019年に横浜は県立相模原に8−6で敗れた。現阪神の及川投手も出場している。
県相模原は記念大会を除くと公立勢として、2004年に準優勝した神奈川工以来となる4強進出を果たした。
今年2024年も横浜は東海大相模に負けているが2019年のこのとき公立高校に負けるのは想像だにしなかったであろう。
【過去記事】
2016年8月 横浜高校はいつ公立高校に負けたのか
横浜は昨年、一昨年と東海大相模に破れ夏の甲子園を逃している。
0ー9東海大相模 2015年 神奈川県大会 夏 決勝
3ー5東海大相模 2014年 神奈川県大会 夏 準決勝
近年は、その他では慶応、横浜隼人、桐蔭学園、桐光学園、横浜商大、平塚学園などが横浜に土をつけている。
上記に上げた高校は甲子園経験もあり、毎年上位に食い込んでくる強豪私学である。
では、本題の公立高校が横浜に土をつけたのは、いつまで遡ればよいか。
ここでいう公立高校は横浜商業は除かせてもらう。通称Y高の名で親しまれている横浜商業は、春夏秋それぞれの大会で、たまに横浜に勝利している。松坂が2年時に暴投で負けてその悔しさバネに3年時の伝説につなげた話は有名である。
Y高は甲子園経験も豊富で野球部専用グラウンドもあるため、純粋な公立高校のカテゴリーから外して考えてみる。
ということで調べてみたところ、神奈川の公立高校が横浜に土をつけたのは20年以上も前の出来事となる。
1990年
神奈川県大会夏5回戦
2ー3神奈川工業
神奈川工業である。
神奈川工業も1990年、2004年と準優勝の経験があり、神奈川の公立高校では名門である。
それ以外の直近の各大会での公立高校の勝利校は以下となる。
実にY校と神奈川工業を除いた公立高校夏の大会の対横浜高校の勝利は1967年の多摩高校にまで遡る。
1989年
神奈川県大会 秋
3回戦
2ー3
川崎北
1988年
神奈川県大会 秋 準々決勝
3ー6大清水
1988年
神奈川県大会 春 4回戦
8ー9
秦野
1967年 神奈川県大会 夏
3ー4多摩高校 延長11回
神奈川県内の公立高校には、甲子園出場の目標とあわせて打倒横浜をかがげてもらいたい。
まずは甲子園出場の大きな障壁となる横浜高校の野球を研究し、知恵を最大限に絞って勝利することを念頭に練習することが甲子園への近道となるはずだ。
横浜に勝たずして公立高校の甲子園はない!
8.横浜高校対策
横浜高校は結構同じようなタイプの人間がどの年代も繰り返し繰り返しスタメンに並ぶ。年によって打順が多少違うが、例えば横浜のサードはベイスターズの石川選手のように中距離、シェアな打力を持つ選手といった形
【過去記事】
守備面
勝負は2番、5番と8番にもっていく。
9番、1番、2番にチャンスメイクをさせない。
その他は多少打たれてもいい。
1番、2番、5番、8番、9番へのファーボールは絶対出さない。
ピンチの場合はツーアウトの時に限り1番との勝負を避ける意味でのファーボールは可
攻撃面では高めの直球のボール球と低めの変化球のボール球の見極めをして、センターへたたきつけるか、逆方向の外野前へあわせてポテン。
とにかくボール球に手を出さないこと。
先攻の横浜には気をつける
→これについては、また別途簡単に書きたいと思う
初回の1番打者の内野安打
サードが積極的に処理したかった
2番のバントのフィルダースチョイス
セカンド送球は判断は間違っていなかったと思う。横浜の1番打者の走塁が良かった。NHKでいい角度からリプレイがあったので走塁が見えた。
横浜の走塁はぴかいちで目に見えない走塁のファインプレーは日常茶飯事。
1点先制されたのはしょうがないが、そのあと5番にツースリーから三振をとれて最小失点に抑えたのは大きい。
あの場面でファーボールを出していたら大量点の予兆。
→東北高校は同じ場面で5番にファーボール、初回はそのあと三振で大事にいたらなかったが、3回似た場面でファーボール、その後6番打者の3ランでほぼ勝負あり。
攻撃は、初回高めのボールに手を出しすぎて三者三振
2回、先頭の4番がボールを振らずセンター返しが非常によかった。
7番打者は高めのボールぎみだったがバットがしたからでず上から叩けたので、力負けしないスイングも手伝って空振りやポップフライにならずにつなぎ
8番打者は真ん中付近の甘い球を文句なくとらえスタンドイン
エースが出てきたが、立ちあがりを打てたことはよかった。
立ち直ってきたら、まず高めと外の直球は厳しい。縦に落ちるスライダーも打つのが難しいだけでなくなく見極めも非常に難しい。
真ん中付近の真っ直ぐに絞りセンターから逆方向に打ち返す。後は横に滑るスライダーとフォークの抜け気味が真ん中付近にきたときに腰を回しきって思いきって引っ張る。
守備はとにかく粘り強く球数投げさせてくるチャンスメーカーたちに根負けせずにファーボールを出さないこと。
出すと引っかき回されるので、体力や神経を使うので後半ガクッとくる。
履正社の勝因
①ポイントにあげたバッターの見極めが良かった
②ピッチャーの圧倒的な実力
→ポイントであげたバッターを何度も歩かせたが、ピッチャーの実力が相当高かったのと2回の5点で余裕があった。
③セカンドの判断と守備
→6回のダブルプレーと7回のセカンドゴロいづれも際どいタイミングだったが2塁へ送球でピンチの芽をつんだ。
ひとつのアウトでと安全策をとって得点圏に残ったランナーで点を取られていたら展開は変わった。
横浜の敗因
①2回の守備 3ラン後のファーボール→ワイルドピッチ→デッドボール
②5回の攻撃 バント失敗
接戦に持ち込めてさえいれば、相手が寺島君であっても勝てた。悔いが残る内容。
ライトにベイスターズにいった石川とか荒波のようなバッターがいて3番を打ってくれれば、増田君を5番にまわして、2人のピッチャーを併用せずに起用できたし、切れめのない打線をつくれた。あとキャッチャーを12番にすれば攻撃に厚みがでた。
9.横浜高校の先制パンチ
今も横浜の戦い方は変わっていない
【2016年時過去記事】
横浜高校を相手にするときに必ず初回を0点で凌ぐこと。
特に先攻の横浜高校はかなり注意が必要となる。
通常後攻有利ということでトスに勝った場合は、よっぽどの作戦がない限りは後攻を選ぶことが多いと思う。
そこでまず、1回表を抑えて波にのっていこう!口では簡単に言えるが、投手は立ちあがりは、やはり不安であるし、野手も大観衆の中かつ強豪相手ともなると浮き足だっている。
そこにつけこんでくるのが横浜高校だ。
毎年必ずいいバッターが一番に名を連ねてくる。
粘り強く、シュアなバッティングが特徴で選球眼が良い。
かなりの神経を使って先頭を抑えにかかる必要がある。
しかし、神経を使いすぎて先頭にファーボールなど出そうものなら、頭を抱えるだけでは済まない。
とにかく全身全霊をかけて初回を特に一番打者を抑える必要がある。
今年の夏の戦績をつらつらと
神奈川県大会 2回戦(7回コールド)
向の岡工
0 0 0 0 0 0 0 0
横浜
6 0 0 0 0 2 X 8
神奈川県大会 3回戦(5回コールド)
横浜
2 2 6 2 0 12
松陽
0 0 0 0 0 0
神奈川県大会 4回戦(6回コールド)
横浜
4 0 3 0 1 2 10
相模原中等教育
0 0 0 0 0 0 0
神奈川県大会 5回戦
向上
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
横浜
0 0 0 1 0 1 0 0 X 2
神奈川県大会 準々決勝(7回コールド)
横浜
0 4 4 3 0 1 4 16
横浜隼人
1 2 0 0 0 0 0 3
神奈川県大会 準決勝
横浜
2 1 2 0 0 2 0 1 0 8
桐光学園
3 0 0 0 0 0 1 0 0 4
神奈川県大会 決勝
横浜
2 0 0 0 3 3 0 1 0 9
慶応
0 0 0 0 0 0 3 0 0 3
甲子園1回戦
横浜
1 0 3 1 0 1 1 0 0 7
東北
0 0 1 0 0 0 0 0 0 1
甲子園 2回戦
横浜
1 0 0 0 0 0 0 0 0 1
履正社
0 5 0 0 0 0 0 0 X 5
神奈川県大会の5回戦と準々決勝以外は初回に得点している。
戦い方としては、今年の向上のように序盤をしっかり凌ぎ接戦に持ち込むこと。接戦に持ち込むことができれば、ワンチャンスで逆転の可能性もうまれる。
横浜といえど高校生、初回を抑え、接戦で進めてプレッシャーを与え続けていくことが勝利の絶対条件である。
立ち上がりに不安がある場合はあえて先攻を選択するのもよいかもしれない。