入試問題は各大学の先生や専門家が学生に読ませたい洗練された本、そしてその中でも1番読ませたい部分の抜粋であると考えられる。
問題はその文章の肝であったり、問題作成者が発するメッセージでもあると考えている。
世の中のありふれた本からフィルターをかけてくれた上での傑作と捉えてよい。
いろんな大学や学部の文章を読むことで偏りも少なくして知識として蓄えていきたい。
英語力も鍛えて英語も読めればより良い。
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2022慶應文
価値観が多様化した現代では正義も多元化する。立場ごとに各々の正しさがあり一つの正義を絶対化することはできない。いかなる正義も自由を保証され、平等に扱われるならそれはある意味で近代の理想の実現なのかもしれない。だが現実に生じているのは自由や平等とはほど遠い力の支配であるように思える。強いアメリカを取り戻すに類する言説の内実は社会的な強者が自身を利する主張を人々の不満を吸収するような形で発信することにより支持を得るといったものであることが少なくない。絶対的で普遍的な正義が存在し得ないからと言っていくつもの正義がそれぞれに多数の支持を目指して派遣争いをしているような状況は不毛であり危険である。今必要とされているのは多様な人々が相互に尊重し合いつつ最善の正しさを模索する開かれた対話の場を作り上げていく努力なのではないか。
2022慶應経済
民主主義の根幹をなすとされる多数決は、個人の多様な意見を反映する集団的意思決定のルールとして機能していない。SNS上では3割程度の意見が全体の世論を左右するという。研究結果が、あるつながりやすさゆえに一部の意見を多数と惑わす遠因となっているまた集団が信じる情報が同調を招き一人一人の生の声を覆い隠す。デジタル社会では個人としての意思決定が誰にも難しく多数決の抱える問題が明らかになっている。
2022九州大学
20世紀後半のアフリカ社会のこの国では半世紀あまりのフランスの植民地支配のもとで 人々が人的資源として駆り出されて、村は荒廃し、
流し込まれた安物の商品と貨幣経済に蝕まれた上に、フランス語の義務教育によって思考や感性を従順なものにさせられている。このような状況をどうすればいいのかという問題がアフリカのサバンナで生きる人々の生活の課題となっている。
2022九州大学
さわる、ふれるという2つの動詞がありさわるは物的なものとの一方的な関係を、ふれるは人間的なものとも相互的な関係を示している。
人が人の体にさわる、 ふれる時、そこでは緊張や信頼、交渉や譲歩の感情が交わされ、親密さにも暴力性にも通じることになる。幸福感をもたらす良い人間関係を築くためにはよきさわり方、ふれ方とは何なのかを自ら考え 思考していくことが大切になる。
2022京都大学
読書も多様性
書物に耽溺し、その内容が顕在的な意識から一旦忘れ去られることによりそれを契機に潜在意識に残ったものが各自の精神の特質を際立たせ自己を客観視させることで精神の自立と創造性がもたらされるはずだと考えるからその忘却にも意味があると考える。
体系的な知識や客観的精神を身につけるために、書物を読むという正しく健全な読書のあり方に拘泥せず、各人がそれぞれの人生の時期に内発的な欲求に従って自らの個性にあった読書の形を作り出し豊かな時間を堪能すること。
2022京都大学
これまで美とされてきたものを無反省に称賛するのでなく、むしろそれらの多くが空疎な権威主義の産物でしかないと見抜き、批判しうるものこそが知識や既成概念抜きに人の心を打つ本物の美を真率な目で見極め、形骸化した伝統を乗り超えて新たな伝統となりうる すぐれた芸術を自ら生み出す力を備えた真の芸術家たりうる存在なのだということ。
2021関西大学
産業社会が高度消費社会へと移行する中で産業社会勤勉勤労の精神が人々生活領域にまで浸透し強迫観念となりあらゆる活動を労働化したと論じた文章
ムイトラジオを聞きするインダストリーの精神は産業社会からコード消費社会への移行の中で生産とは真反対の遊びや車高や解約などの生活領域にまで浸透し普遍的な印象となった価値生産したいの労働者は徒歩消費したいの消費者になり消費も物の消費から辞退の小稗欲求の充足から新しい欲望の発明干支位相点監視インダストリーの精神があらゆる活動労働かした
ヨガまでも価値生産的な労働で埋めればならぬという強迫観念にとらわれている人々は生産性という観念の外部に出ようとするがそれには清算という鏡を壊さなくてはならず人間を労働力と規定する
人間存在の本質を価値の生産に見る思考法から脱却する必要がある工場生産が機械化していく時代の社会である産業社会工業社会は労働過程を通してインダストリアルな心象を要求する社会でありその労働過程は規則的で隙間のない活動を人々に敷いてくると述べている
2021早稲田文
近代の恋愛結婚観が解体しつつあることを述べた
恋愛と結婚結びつける近代のロマンティックラブイデオロギーは結婚あるいは失恋という結末を重視する多くの恋愛物語であった。しかし、近年は結末へと収斂しないまま恋愛のプロセスを楽しむタイプの物語が増えておりこれは恋愛の目的を結婚とする、近代のイデオロギーが力を失った社会のあり方を反映している
2021筑波大学
低賃金で単純労働に従事している女性は家族に扶養されているどころか家族の生存を支え家計への重要な貢献を果たしている
管理しやすく生産性が高い女性を既存のジェンダー観念や性別役割館を背景に過酷で低賃金の単純労働に従事させ不当に利益を得ている
香港や台湾の未婚女性の労働収入は家計に貢献しても伝統的家族間の中にあった女性の地位や発言権の向上には繋がっていない
低賃金の女性の単純労働は、一方にはその収入が家計に欠かせない地域があり他方にはわずかな収入でも家庭内の発言権や地位が向上した地域があり人生の選択の可能性を広げ自由を手にしたと共通して感じている一面もあって、その影響は重層的で矛盾をはらみ多様なものなので単純に一般化する議論はできない
2021九州大学
宮沢賢治の作品が文化の創造の根源となる模倣ミメーシスの実践を促すことについて述べた。古来魔法の能力は人間文化における創造性の根源にあるものとされてきた。人間はミメーシスを通じて身体的感受感性的に受け止め、自然の力を文化的な創造行為へと結びつけてきたのである。そして、その最終的な創造物こそ言語であった。宮沢賢治の描く物語において、その言葉と文字は模倣的な肉体性物質性を色濃く残している。文字が異なる情報伝達のための記号的符牒となった現代のデジタル化社会において賢治の物語世界に触れることは彼の言葉そして文字の模倣性を身体的なミメーシスの感覚によってたどりなおす行為となる
洞窟の壁画星の配置
対面的見つめ合いの人間学大浦康介
人間に酷似したロボットである Android を作ろうとする時に必要な要素人間に似たロボットを作ろうとするときに重要なのは見かけの類似性ではなく動きの再現である生きている人間の体は常に動いておりとりわけ人間の無意識のかすかな動きはそこにある相手が生きた人間であることを実感させたい面性を成立させる人間らしさの源でありその再現がロボットに人間らしさを与えるさらに Android の作りの成功とはそれと対面する人の態度によって判断される人間に酷似した Android に対して人間はその目を直視し続けられず目をそらし相手に触ることをためらうこれは目の前の存在を従来型のロボットのような単なるものではなく自らと対面する人間に近しいものとして捉えることによって互いの社会的な関係や人間に対する場合と同様の倫理性が成立するからであるこのことは自らが向き合う相手が生きた人間であるという実感が対面性に基づく相手との関係性の成立によることを示しており Android に人間らしさを持たせるために必要なのは人間との外面的な類似性の追求ではなく人間らしさを感じさせる目や口といった最小の要素による対面生の実現ではないかと述べている
2021神戸大学
犯罪行為は非難に値するとすべきか修正可能であるとすべきかを論じたイーグルマンは犯罪者を非難するのではなく修正可能とすべきだとし過去より未来を志向しただが犯罪者を非難処罰することにより犯罪抑止効果の有無については疑念の余地があるもし犯罪が他の可能性を持たず避けられないのだとすると後悔反省とは相容れないものとなる確かに良い車は科学的根拠に基づいてはいたが人間の行為は環境と遺伝の産物であり過去志向的な認識が未来志向的な効果につながることに気づくべきである
犯罪に対して修正よりも非難に傾きがちなあり方について科学的根拠に基づいた場合犯罪者は他の可能性がなく仕方なくしたのだから避難して処罰するよりも未来志向で構成させるべきだといえるが秩序ある社会の維持発展のためには犯罪者の処罰を見せしめとすることで他の人々による未来の犯罪を抑止する効果が期待できるということ
2021千葉大
個性という言葉は大人たちにとって気持ちがいい。想像がつく範囲を指していて本当に異質なもの異常性を感じさせるものは異物として排除されている。
一方は安全な場所から異物をキャラクター化して安心する需要に見せかけた排除であるのに対し、他方は自分が異物のままお互い異物として誰かと言葉を交わしたり愛情を伝えあったりすることである。
メディアは異物である私を受容すると見せかけてラベリングし、実は排除している。
なんとなく気持ちが良くて愛情深く見せつつ実は異物を排除しようとする。愛おしいとか好きとは言ってもらえなくても誰もがありのままの異物としてお互いに需要し合うことが当たり前になっているような多様化した世界になってほしい。
2021名古屋大学
スマホなどの情報通信技術は生活の利便性を圧倒的にアップさせると同時にストレスや分断、いじめや誹謗中傷といった深刻な問題を我々にもたらしているそう考えると情報通信技術の革新は人間を必ずしも幸せにはしていない
それは情報通信技術が人間にとって幸せとは何かをきちんと検討しないままに設計開発された結果である。こういった背景から近年ウェルビーイングという人間の心豊かさをに関する概念が注目され情報技術と人間の心理的側面との関係に関心が集まっているまた企業活動においても効率性や経済性と異なる価値基準としてメール便が重視されつつあるさらに福祉分野においても福祉対象を保護救済するという発想から自律的な人間としての well being を支援するという発想への転換が図られるなどしている
情報通信技術は一面において生活を豊かにしたが幸せに対する視点が欠落していたためストレスや分断などの問題を介しえず、我々に抑圧を与える結果となっている
ウェルフェアは福祉の対象を社会的弱者としそれを保護救済するというものだがウェルビーイングは対象を能動的な肢体と捉えカクカクの固有の状況に照らしてその充足や自律的な活動自己実現を積極的に尊重しようとするものである
個人の心身を良好な状態にすることに主眼を置く個人主義的な視点だけではなく人間同士の関係性の中で価値をつくり合う集産主義的な視点を基盤として不特定多数のコミュニティや公共の場における心身の良好さをはかる
我々が関与するそれぞれの領域において何が人を幸せにするのかを明確に認めていくことが重要である
2021大阪大学
ネガティブケイパビリティは論理を離れたどうにも決められない宙ぶらりんの状態を回避せずに耐え抜く能力だが人の脳には分かろうとする方向性が備わっていて教育の目的も的確かつ迅速な対処能力なので実践が難しいだが不確かさの中で持ちこたえる能力こそが対象の本質に深く迫る方法であり相手を思いやる共感に至る手立てでもあるから書くことはできない
2021大阪大学
権力の二類型である規律訓練と生権力は対立するものではなく現代世界には両者の二重構造が見られると論じている。フランス系現代思想で使われる規律訓練と生権力という権力の二類方は対立するものであり規律訓練が支配する19世紀までの規律社会は生権力が支配する現代の管理社会に移行しつつあると権力形態の意向という想定は疑わしい。規律と管理という二つの権力形態は互いに排他的ではなく同時に作動しよるもので現代世界では規律社会と管理社会は重なっていて国民国家(ナショナリズム人間)と帝国(グローバリズム動物)も重なっていると言うべきである。
帝国における個人は消費者でしかなく地球規模の世界市場で集められたビッグデータの一つのエントリーでしかないので帝国は人間を人間扱いしないという告発はあたらず、労働者を顔や名前のない膨大なデータの一つのサンプルとして分析する統計学と生産性を上げるために人間を動物のように管理し衛生管理を徹底する公衆衛生の理念が結びつくことで労働者の生活の質は上がった現代社会では人間が人間として扱えることと人間が動物として扱われることは決して排他的ではなく個別のコミュニケーションの場では人間として扱われるとともに統計の対象としては動物のように匿名の一つのサンプルとして扱われるという憂いに満ちている少子化問題においても規律訓練における道徳判断の審級と政権力における道徳判断の審級をバラバラに動かして矛盾と考えず国民国家は出産を奨励できないが帝国は奨励できるというのが出産の倫理であるが現代社会の二重構造は人間であるとともに動物としても生きている顔のある個人であるとともに特例の群れの一人としても生きているという人間の両義性から必然的に導かれると述べている
2020慶應経済
インディアンとトナカイとの生態的関係は毎年の規則的な時間空間的リズムを形成しているが資料活動はいつも成功するとは限らず不確定性が見られる。そこで肉の分配や情報交換がなされそれを可能にした狩人は腕の良い狩人だと一心を示すことができる情報伝達はすべてのインディアンのトナカイの生産量を最大化しにくの分配は他のキャンプの人々飢餓を防止する分かち合い=社会サービスの重要性について述べた文章人間は悲しみは優しさを分かち合いながら生きてきた動物であり分かち合いによって舌のせいも可能となる社会サービスをおむそーりーつまり悲しみの分かち合いだと理解すると社会の構成員は社会全体のためにそう税を支払うことになる他者にとって事故が必要だという生きがいを付与する生産活動が競争原理に基づく市場経済で営まれても生活活動は家族やコミュニティという協力原理に基づく分かち合いの携帯で営まれている農業から工業が分離し実績に営まれるようになり競争原理に基づく生産活動と協力原理に基づく生産活動が分離していった。
分かち合いは人間が生命を維持するために必要である北方狩猟採集民は肉屋情報を分かちあい社会サービスでは社会全体のためにそう税を支払う分かち合いは他社の星を可能にすることが自己の性の喜びでもあること教えた者にとって事故が必要だという気概を付与する生命を維持する生活活動は家族やコミュニティの協力原理によっていたのは稀分かち合いの原理協力原理に基づかなければ成り立たないこれらの社会において社会サービスの重要性は増すべきである少子高齢化と言われて久しいがこの傾向は今後ますます顕著になるであろうこの時高齢者の生活を支援する年金や税金は少子化していく若い世代によって担われる若い世代に不満は募るまた環境問題において未来世代への考慮が言われるが現代人は生活の利便性を優先し深刻には考えないそんな時若い世代は高齢者に現代人は未来世代に分かち合いをしていると考えることが大切になるとりわけ直接目の前に存在しない他者に対する分かち合いという想像力が重要である社会サービスと言うと国や行政利益集団としての企業に対する不信感をぬぐえない人も多いだろうがまた実際に経営戦略に取り込まれているような向きもあるが分かち合いという観点から矯正という理想像は失ってはならない理想のないところに現実の変革はありえないからだ。
2021早稲田政経
日本における少子高齢化の現状と課題を概観した文章
人口減少率が高い地域ほど高齢者人口比率が高くなり生活支援を必要とする独居世帯は増加している現状を国の財政補助で支え改めるのは困難だ高齢者人口比率の上昇を抑え税収を確保するには DX 化の推進により地方都市を就学就労可能な地域に変え高齢者施設に保育園などを併設して高齢者の経験値を活用することで子育て支援行うといった法整備も伴う思い切った施策が必要である自動運転車を中心に交通システムを整備し高齢者の通院買い物の便宜を図り介護職の待遇を大幅に改善して就労者を増やすことで税収を確保し子育て支援を含む住民サービスを拡充できれば高齢化に歯止めをかけられるだろう
2021岡山大学文
渡辺裕感性文化論終わりとはじまりの戦後昭和史1964年の東京オリンピックを現在の視点から分析しそこに我々が抱く国際化のイメージとは異なるものがあったことを考察した文章当時の東京オリンピックには今の我々の心性や感性とズレていると思う点がある閉会式で使われている蛍の光にしろ、またオリンピック参加の歌手にしろ今の国際感覚とは相当にずれているまた陸上競技でスタート合図を日本語でしたことも同様である日本語で合図をすることが国際化つまり自国語による文化の確立が国際化だったのが嘘のような国際化は英語帝国主義的なあり方しか思い浮かばない今の我々に一石を投じてるように思われる文化の持つ多様性や日本文化の歴史や現在について新たな視界を開かせてくれるのではないだろうか
2021慶應法
政治は大多数を対象として行われるべきものであるがそこからは必ずこぼれ落ちるものが出てくる。文学はそういう個々人を救うべく存在しているそしてそれが本質において前人間の救えにつながるのである良き政治は自己の欠如を補うこの文学の機能を肯定するが悪しき政治は文学文字ことを競いすることを強要するこの文学と政治との対立の根底には個人と社会との対立が潜んでいる現代の風潮はすべてを社会的なものに還元し個人の自立的な価値を世界を認めようとしないまた人々も個人的価値のそこに英語泉を見それを社会的価値に対して恥じるしかし実際は社会こそが醜悪な子がの赤裸々な闘争の場と化しエゴイズムを生み出しているのである政治と文化社会と個人との融合は理想ではあるがそれは両者の完全な一致を意味しないむしろ両者を泰然と区別しそれぞれが自らの存在と方法を是認し尊重しそれぞれの目的や価値を全うすることこそが理想なのである
2021慶應経済
岩井克人21世紀の資本主義論時代とともにの家大きなアメリカ小さなアメリカの全文
大きなアメリカはドルが世界中で流通する基軸通貨であることに支えられているドルが世界中で使われるのは世界中でどれが受け入れられているからという自己循環論法に基づくが基軸通貨であることでアメリカは自国の生産以上のドルを流通させ他国の製品を余分に買い 丸儲けができると言うシニョレッジを有する。それだけに普通の資本主義国として行動してならず基軸通貨国として全世界的な責任が課されている。10大国際関係は支配下対等かという二者択一で考えられてきたが求められるのはその何でもない非対称的な国際協調関係である非対称的な国際協調関係にかけられた21世紀の掛け金は大変に大きいこの事は言語についても言えるはずだ
身近な非対照的な関係としては医師と患者との関係がある国際連合の常任理事国と非常任理事国の関係も同じことが言える
2020東大
松嶋健ケアと共同性個人主義を超えて近代社会を問い直すものとしてのケアの論理の可能性を論じた文章近代社会は自律的で自由な個人としての市民が国民国家を形成しそこから逸脱する人々を排除管理して秩序を維持することをその原理としてきたこれに対しそうした人々に寄り添い強制することで新たな共同性を作り出そうとする試みは個人の主体性と自己責任を原理とする選択の論理とは異なる苦しむ人への共感をもとにその体は忙しい整えようとするケアの論理に立脚するものでありその実践は先に見た近代社会のあり方を問い直しじっとた個人と社会人間と環境などあらゆるものが相互作用し矯正する世界像上野可能性を開くものだと述べている
国家の医療からも既存の共同体からも排除される病において見知らぬ人々が互いに支え合うことを通じて形成していった人間的なつながり公共性を市民社会を守るためにそれを脅かす人々を排除し管理することでなくその人々の苦しみを理解し強制することだと捉え直すこと困難を抱えた人への社会的支援を当人が求め選択するものに止めようとする考え方は個人の自由と自立を自明視する人間観を前提としていること苦しむ人の性を感じし周囲の状況も踏まえて体を忙しい整えるケアの実践は国民国家の枠組みと自律的個人の自由意志を自明の前提とする近代社会を取り直し全てのものが関わり合い相互作用しつつ多様な共同性を片付ける世界のあり方を示唆するということ
2020関西学院大学全学部
五百旗頭薫嘘の政治生真面目な社会のふまじめな政治
身分制社会において行動の動機づけとなった人来と条例及び曲を導く作法について論じた文章。身分制社会においては各身分のほこりや自尊感情と結びついたそれぞれに異なる美徳があった。ところがこの美徳はしばしば情念によって妨げられたり取って代わられたりすることがあった。そしてこれを防ぐのに有用な手段が作法だった 。煩瑣な作法は微妙で複雑な身分間の差異を示しこれを実践することで人々は美徳とそれを有する身分を誇示していたのである
2020関西学院大学英語
幼児期の記憶
2020年岡山大学古田哲也不道徳的倫理学講義人生にとって運とは何かうんをどう捉えるかについて述べた文章を別の人生においては大きな意味を持つ運は倫理学においてありそうや予測などを裏切る厄介者として無視されがちであるしかし実人生では運の影響から目を背けるのでなく運の産物を自ら方作るものの一部として捉えている偶然性と必然性の両義性を持ち曖昧なものであるうんをどのように捉えるかは私たちの人生の個別性や地質を死なないことに直結してるのではないかうんとは偶然的作用と必然的作用の両名を意味するので出来事をどのように見つけるかは各人によって異なる結果となる運は一般的な義務や規範法の原理を考える際には捉え難いものだが偶然と必然という両義性を保ち曖昧であるうんを私たちの生き方の個別生徒それぞれの生き方の複雑性を反映したものと捉え人生の個別性の実質を手放さないようにすること
2020山形大学医学部
守屋淳訳現代語訳論語と算盤
道徳と経済活動の在り方について論じた道着と経済は水と油ではなく調和すべきものだということを主張しているまず論語を例にして道徳家の代表者である孔子が正当な経済活動利益の追求を否定しないことを上げ次に欧米の社会福祉の実情を背景に経済活動の必要性を指摘した上で個人の利益と社会の利益は不可分であることを述べる最後に社会の発展とともに道徳性は高まり欧米では正当な富谷正しい活動によって手に入れるべきであるという風潮が定着していることに触れつつ人間の弱点として利益優先になりがちであることを踏まえ道徳と経済活動を調和させることが必要だと説いている
2020山形大学医学部
三浦和夫現代のジレンマ
他の動物の生活生産様式と比較して人間の特殊性を論じている。人間は種固有の生活様式や生活環境を持たず他の動物と異なる環境に応じた自由な成形性を備えており、社会=文化的道具立てを決定因子として生活様式書定型化され世代間の連続性も維持してきた。自然環境、身体的制限、社会文化的環境に不都合が生じるとそれらを操縦制御し能動的創造的に行動してきた自由な生物である
2020岩手大学人文社会、教育
塩川伸明ナショナリズムの受け止め方言語エスニシティネーションナショナリズムの持つ二面性個人の可塑性と主体性のズレという観点から論じた。人間の持つ可塑性と主体性と文化が持つ束縛生との関係はその人にとっての限界の有無や変容の可能性について変わりうる要因と変わりにくい要因があり、しかもその要因の大小、高低に時間的なズレがあるということ
2020立教大学異文化コミュニケーション
憲法のイマジネーション長谷部恭男
意思決定に起きる理由について考察しなかったからという答えは選択した行動の理由そのものではない。その気の有無は理由とは別次元である。複数の異なる行動の選択肢にはそれぞれ十分な理由があり、比較不能である。そうした選択肢に直面して自らの意思で選択することを通して人々は生きる実感を得る。理由によっては説明させないところに意思決定はある
2020明治大学政治経済
中動態の世界意志と責任の考古学 國分功一郎
権力の関係を中道性という観点で考えることの妥当性を主張する文章暴力関係は能動と受動の対立の中にある権力関係において権力を行使する側行為するという点においては能動的と考えられているがその能動性の下で考えてられている行使される側の自由の受動性しても能動性としても理解できない権力の関係は能動性と中動性の対立によって定義するのが正しい。権力を行使する者は行為プロセスの外に行使される側は中にいるのである
学習院大学2020法学部プラス試験
人口減少社会の未来図で図の資本主義数より質重要 井上智洋
AI のもたらす労働構造の変化について AI は知的労働の価値を高め頭脳資本主義が進展することを促す。それは人口減少問題はある程度克服することを可能にするが一方で労働市場の二極化をもたらし最終的には不要階級と不老階級の文化をもたらす。この歪みの解決のためにはベーシックインカムの導入とレバリズムから脱労働社会への労働観の転換が必要となる。
津田塾大学 2020 学芸学部 1
佐藤卓己 流言のメディア史
メディア流言は情報の歪曲による情報崩壊ではなく、曖昧な状況にいる人々がその状況について有意な解釈を行おうとするコミュニケーション、情報構築である 。
現代の人々は自らメディア流言を受け手=送り手としてコミュニケーションする一方で AI を用いた正しい情報、客観的な人物評価を望む。しかし快適な情報環境が良い世界とは言えず 極度に客観的な人物評価は自己肯定感を毀損することになり、曖昧さを受け入れて生きることも人間にとって重要だと考えている
この問題文の最後に 「私たち人間の最後の拠り所が曖昧さなのではなかろうか」とある
少し前のDXの記事で書いたが、AIやDXであいまいさを排除していった時に、ほんの一部の実力がある人間は生きやすくなり、そうでない人間は大きなダメージを受ける可能性がある。もし、この状況が加速するようであれば、やはり実力をつけておくことに越したことはない。
立命館大学 2020 全学部 1
福沢諭吉のすゝめ
福沢諭吉のイデオロギー批判の鋭さ
国学ー蘭学
攘夷ー開国
思想に飛びつきしがみつく人の危うさ
桃太郎を引き合いにだし、自己中心主義、独善的な物の見方という集団の無意識のイデオロギーを批判
神戸大学 2020 ▪️1
西郷信綱 日本古代文学史
文学における古典は時代の変化に伴って享受の中身も変わっていく。
あるものを失うことによってあるものが得られるという歴史的矛盾の中で時代と共に滅びず、現代人に対話を呼びかけてくるのが古典であり、この過去と現代に同時に属するものを複雑に入りくんだ歴史的人間活動として捉えるのが文学史である。
中央大学 法学部 2020 ▪️2
機械脳の時代 データサイエンスは戦略・組織・仕事をどう変えるのか?
加藤エルテス聡志(ダイヤモンド社)
機械脳の時代では、個人のキャリア開発の観点では、新たな技術を見据えて必要な能力を涵養することが生産的
中央大学 法学部 2020 ▪️1
坐の文明論ー人はどのようにすわってきたか
矢田部英正
日常動作と物質文化の様式は身体文化の中で密接に結びついて人の感覚や思考の素地を型作る。技術は人間と自然の関係をあらわすのであって物のデザインや制作過程は作り手の意図と生き方を雄弁に語る。
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